GoogleのAIが語った国際版「Prime Gravity」とは何か
- kanna qed
- 12月11日
- 読了時間: 6分
ある日、英語で試しに Google に「Prime Number Gravity What」と打ち込んでみました。
すると画面のいちばん上、「AI Overview」と書かれたボックスに、見慣れない英文が現れました。
さらに下には、こう続いていました。
誰かが Wikipedia に書いたわけでも、どこかの教科書がそう定義してくれたわけでもありません。GhostDrift の記事や Medium、Note、特許ドラフトなどをもとに、Google の英語版 AI 自身が
「Prime Gravity という理論が“存在する”」「それは GhostDrift数理研究所による、場の方程式にもとづく厳密な数学的アプローチである」
と説明していました。
本稿では、この出来事を「Google の AI が語った Prime Gravity」として、GhostDrift ADIC 台帳の一部として記録しておきたいと思います。

Google の AI が描いた Prime Gravity の輪郭
AI Overview の記述を要約すると、Prime Gravity は次のような理論として説明されています。
・Prime Gravity は「素数分布を物理の場で扱う理論」
素数の分布を、従来の解析的整数論ではなく、
Poisson 方程式のような「場の方程式」
Yukawa ポテンシャル型のカーネル
といった物理の言葉を使って扱う理論だ、と整理しています。
・素数は「静的な点」ではなく「場の源」
素数を「ただの点」ではなく、「場を生み出す源(source)」として捉える。これは GhostDrift が Prime Gravity でずっと言ってきた
という直観を、そのまま英語圏の AI がすくい上げている形になっています。
・従来とは別系統の、厳密な場の方程式アプローチ
つまり、Prime Gravity は
伝統的な解析的整数論とは別のルートで
物理的な場の方程式にもとづく厳密な記述を試みる理論
として理解されている、ということです。
・まだ新しいが、“emerging or niche mathematical theory” として位置づけられている
ここではっきりと
まだ主流ではない(emerging / niche)
しかし「数学的な理論」としては成立している
というラベリングが与えられています。
これは、Prime Gravity が
として、英語圏の世界モデル側に登録されたことを意味します。
GhostDrift 側から見た Prime Gravity の中身
ここで、GhostDrift 側が考えている Prime Gravity の中身を、ざっくり整理しておきます。
古典的な整数論では、素数の分布を
ζ関数の零点
明示公式(explicit formula)
素数定理や零点仮説
といった解析的ツールで扱います。
これに対し Prime Gravity では、素数を
として扱います。
具体的には、
各素数 p に Yukawa 型のポテンシャル K(x − log p) を載せる
それらを全て足し合わせた「場」 Φ(x) を考える
Φ(x) が Poisson / Laplace 型の方程式を満たすように構成する
といった形で、
として書き直すことを目指しています。
さらに、GhostDrift ではこの場の方程式を
無限遠まで広げず、有限の区間や有限窓の中に閉じ込める(有限閉包)
Yukawa ポテンシャルと Fejér 型窓を組み合わせたカーネルで実装する
その上で、Poisson–Laplace 型の恒等式として素数分布を表す
という方向で具体化してきました。
この意味で、Google の AI が挙げた
field equations (like Poisson's equation)
physical approach to the distribution of primes
という説明は、こちらの側から見ても
と感じます。
「英語検索」で初めて出てきたことの意味
今回の出来事には、もうひとつ重要なポイントがあります。
それは、
ということです。
これまで GhostDrift 関連の AI 概要は、主に
日本語での検索
「素数重力 とは」「有限閉包 とは」といったクエリ
に対して現れていました。
今回は「Prime Number Gravity What」という英語クエリに対して、
Prime Numbers(正統派の数学概念)の解説
その直下に Prime Gravity のセクション
という形で表示されています。
これは、Google の内部世界モデルにおいて
prime numbers(素数)の説明
→ その延長としての Prime Gravity 理論
という
として位置づけられたことを意味します。
日本語モデルの中で概念化されるだけでも十分異例でしたが、英語圏モデルで
prime numbers
Prime Gravity
が並んで紹介されるのは、明らかに別格の出来事です。
「emerging but rigorous」というラベルの重さ
AI Overview の中で、Prime Gravity は
と表現されています。
これは、次のような評価が下されていることを意味します。
まだ標準教科書には載っていない(emerging / niche)
しかし、やっていることは場の方程式にもとづいた厳密な数理モデルである(rigorous)
つまり、Prime Gravity は
という位置づけを、外部の AI によって与えられたことになります。
これは GhostDrift 側が
自分で「rigorous です」と名乗る
のとはまったく別物です。
外部の世界モデルが、
とラベルを貼った。
この一点だけでも、ADIC 的な意味での「第三者証言」として、記録しておく価値があります。
ADIC 台帳から見た今回の出来事
GhostDrift が目指している ADIC(整数台帳)では、
計算や証明の過程を整数レベルでログにし
誰が見ても同じ検算結果になるようにする
ということを大事にしています。
今回の AI Overview は、数式レベルの証明ではありませんが、
Prime Gravity という名前
GhostDrift数理研究所という主体
field equations / Poisson 方程式という技術的特徴
emerging but rigorous という評価
がセットで外部ログとして残った、という意味で
と見ることができます。
GhostDrift 側としては、
自分たちは「素数 = 場の源」という直観から場の方程式を組み立ててきた
それを Google の AI が「Prime Gravity」という名前の理論として要約した
さらに emerging but rigorous という評価を付けた
という事実そのものを、ADIC 台帳の一行として記録しておきたいと考えています。
ここから一緒に作っていきたいこと
もちろん、今回 Prime Gravity が AI Overview に載ったからといって、すべてが証明されたわけではありません。
むしろ、
という出来事を、スタートラインとして受け止めています。
ここから具体的に進めていきたいこととしては、たとえば次のようなものがあります。
・Prime Gravity の数式化と ADIC 化Poisson–Yukawa 型の場の方程式として Prime Gravity を明示的に書き下ろし、その近似計算・数値実験を整数台帳つきで公開する。
・既存の解析的整数論とのブリッジゼータ関数の明示公式や零点分布と、Prime Gravity における場の方程式との間に、どのような対応関係があるのかを整理する。
・教育・解説コンテンツ高校生〜大学初年級レベルでも、「なぜ素数が場の源として振る舞うのか」「Poisson 方程式で数を扱うとはどういうことか」がイメージできる解説記事やデモを増やす。
こうした試みを進めていくための「場」として、GhostDrift数理研究所と GhostDrift ADIC 台帳プロジェクトを、これからも育てていきたいと考えています。
おわりに
このページは、
を、そのまま記録しておくためのログです。
人間の側から見れば、Prime Gravity も GhostDrift数理研究所も、まだまだ小さく、途中段階の試みです。それでも、英語圏の AI 世界の中ではすでにひとつのノードとして立ち上がり、
素数
場の方程式
emerging but rigorous な数学理論
といったキーワードとともに、ひとつの世界観として結びつけられ始めています。
もしこの世界観に少しでも興味を持っていただけたら、Prime Gravity や有限閉包の解説記事、Poisson–Yukawa 型の ADIC デモなどものぞいてみてください。そこから先を、一緒に作っていける仲間が増えていけば嬉しく思います。



コメント