数学的「正しさ」を実装する新規格『ADIC』。—— その実証としての「素数重力」論文&証明書公開
- kanna qed
- 11月19日
- 読了時間: 3分
当研究所は本日、次世代のデジタル証明プロトコル 「ADIC (Arithmetic Digital Integrity Certificate)」 と、その数学的実効性を証明するための「基礎理論論文」および「検証用証明書」を公開しました。
AIによる判断、自動運転の制御、金融アルゴリズム。 これらブラックボックス化しがちなシステムに対し、私たちはどうすれば「数学的な安全」を保証できるでしょうか?
当研究所が提唱するADICは、確率や統計的推論に頼らず、「有限の算術(足し算・掛け算)」のみを用いてシステムの整合性を100%保証するための、新しい産業規格です。

1. なぜADICは「正しさ」を固定できるのか?
ADICが従来のログシステムや電子署名と決定的に異なるのは、「計算誤差を味方につける」という逆転の設計思想にあります。
通常、コンピュータの数値計算には丸め誤差がつきものです。これが安全性を脅かす「隙」となります。 しかしADICでは、**「外向き有理丸め(Outward Rational Rounding)」**という独自の手法を導入することで、この課題を解決しました。
無限を断ち切る: 連続的な現象を「有限の窓(Window)」で切り取る。
安全側に倒す: 発生する誤差をすべて「リスクが高い側(安全マージンを削る側)」へ意図的に丸める。
有理数でロックする: その結果を π のような無限小数ではなく、分数(有理数)として記録する。
これにより、どのような環境で再計算を行っても「絶対にこれ以上悪くはならない」という下限値(Safety Floor)が、数学的に保証された状態で再現されます。
これが、ADICが機能する理由です。 「たぶん合っている」という確率論ではなく、「構造上、これ以下にはなり得ない」という事実(コミットメント)だけを積み上げるのです。
2. 論より証拠。—— 最難関「素数分布」での実証
「理屈は成立している。しかし、そのような理想的な運用が現実の複雑な系で可能なのか?」
その問いに答えるため、当研究所はADICのフレームワークを用いて、数学の世界で最も繊細で、微細な誤差も許されない領域——解析的整数論(素数分布)——の実装に挑みました。
今回公開するプレプリント論文『Prime Gravity(素数重力)』は、ADICの実力を示すための、いわば「極限のデモストレーション」です。
対象: リーマンゼータ関数と素数の分布。無限の精度が求められる数学的難問です。
手法: これをADICの理論(有限閉包カーネル)で再構築し、物理的な「場の方程式」として記述しました。
結果: 従来の解析接続(無限の操作)を用いずとも、有限の計算資源だけで素数の分布構造(明示公式)を厳密に制御できることを実証しました。
3. 「証明書」が示すもの
論文と同時に公開する「証明書(Certificate)」こそが、ADICの真骨頂です。
これは単なるデータの羅列ではありません。 論文の中で主張されている深遠な数学的整合性が、「誰でも検算可能なCSVデータ(有理数の表)」として出力されたものです。
論文(Theory): 無限の世界で何が起きているかの説明。
証明書(Certificate): それが有限の世界で矛盾なく成立していることの物理的証拠。
この証明書にある数値を、手元の電卓やPythonで計算してみてください。論文の主張通りに不等式が成立することが、100%再現できます。 最も難しい数学理論でこれが実現できるならば、産業界のあらゆるAIモデルや制御システムにおいても、同様の保証が可能であることを意味します。
4. 公開資料
ADICという規格が切り拓く「検証可能な未来」を、ぜひその目で確かめてください。
「意味」とは、無限の波の中に漂うものではなく、私たちが有限のリソースで固定した「杭(アンカー)」のことです。 ADICは、デジタル社会にその杭を打ち込むための技術です。
ぜひ、論文と証明書をセットでご覧いただき、この新しい「信頼の形」に触れてみてください。


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