契約の「理不尽」を数学的に検出する｜法務ADICデモ公開（契約書解析・監査・無限逃避検知）

kanna qed
12月7日
読了時間: 3分

更新日：12月14日

01. はじめに：契約書解析×法務監査のためのADIC—検証可能な構造評価と無限逃避検知

お疲れ様です。GhostDrift数理研究所のマニーです。

「その契約書、本当にサインして大丈夫ですか？」

フリーランスや下請け企業が、不利な条件（長い支払いサイト、不明確な検収期間など）を押し付けられる「下請けいじめ」は、残念ながら後を絶ちません。私たちは、この問題を解決するために、契約書を「読む」のではなく「計測」する新しいエンジンを開発しました。

本日は、契約の公平性を100点満点で採点し、危険な条項を数学的に証明する「法務ADIC」の技術デモを公開します。

02. DEMO_OVERVIEW / デモの概要

Legal ADIC: Contract Fair Ledger

https://ghostdrifttheory.github.io/legal-terms-ledger-JP/

このデモは、契約書のテキストを解析し、その条件が「ホワイト」か「ブラック」かを瞬時に判定するシミュレーターです。以下の機能を実際にブラウザ上で体験できます。

Feature 1: 契約の「ブラック度」判定 デモには、業界標準より厳しい「契約B（ブラック：重い条件）」のテンプレートが搭載されています。・支払い：検収後90日（下請法の60日ルールを超過）・検収期間：無制限（いつまでも入金されないリスク）これらを選択すると、ADICエンジンが即座にリスクを検知し、スコアを大幅に減点します。

Feature 2: Σ₁ Ledgerによる証明 なぜその点数になったのか？ ADICは「AIがそう言ったから」では済ませません。「支払いが5日遅れるごとに-4点」「検収期間が7日伸びるごとに-3点」といった計算プロセスをすべて記録した「台帳（レジャー）」を表示します。これにより、契約のリスクが感情論ではなく、検証可能な事実として可視化されます。

Feature 3: Minimal Patch (最小修正案) 単にダメ出しをするだけではありません。「あと何日支払いを早めれば合格ライン（80点）に届くか？」を逆算し、「支払いサイトを90日→60日に変更してください」といった具体的な修正案（パッチ）を自動提示します。

03. TECHNICAL_NOTE / 技術的なポイント

今回の核心は、法的な文章を「自然言語」としてではなく、「整数ベクトル」として扱っている点にあります。

従来の生成AI（LLM）に契約書を読ませると、「これは厳しそうですね」といった"感想"はくれますが、厳密な正誤判定は苦手です。対してGhostDriftのアプローチは、契約条件を「支払い日数」「遅延利率」といったパラメータ（数値）に変換し、事前に定義された「ルールセット（下請法基準など）」と数学的に照合します。

これにより、誰がいつ計算しても結果が絶対に変わらない「確定的な公平性」を担保しています。デモ内の「Deep Dive」セクションで、この数理判定の裏側を詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。